お世話になっております。
「AI(人工知能)デジタル」の介入の押しの強さ?に、少し戸惑いを感じている今日この頃でございます。「泥臭いAI」が誕生したら、それはもう人間かも? と妄想する 店主です。
さて、
お客様が交差点で信号待ちの際に、そのままエンジン停止してしまった「シグナスX(SE44J-O2センサー無いモデル)」様。幸いお客様にお怪我など無く安心いたしました、、。
その原因やいかに、、。
電装系?センサー系?の不具合かな、、と考察するも、、。
「エンジン警告灯」の点灯はキーONで「正常(短く点灯して消灯)」を示しています。
「エンジンコントロールユニット(ECU)」様は、不具合に気が付いていないご様子かな?。と思いながらも、シグナスXの定番?フューエルポンプ様の不具合が気になります。
「キーON」で、「フューエルポンプ」から大きな作動音が聞こえます。
残念?ながら「正常」です。
まさか「ECU」が壊れている?とか、、。
、、
頭の中に渦巻く「シグナスX様の故障個所のイメージ」を全て捨てて、
真っさらな状態から、とりあえずリコール情報を確認する事にいたしました。
幸い国内販売の車両でしたので、車体番号からリコール対策状況が確認でき、その結果は全て「対策済み」でした。
やっぱり「ECU」が壊れているのか??、、。
バッテリー電圧は、繰り返されたセル始動?により弱ってしまったとはいえ、それでも元気です。原因があるとは到底思えません。念のため充電。
、、
裏を返せば「ECU」様が気が付かない箇所に、不具合の原因があるとも。
電装系やセンサーの不具合を忘れて、基本的な点検から仕切り直しです。
さて、
「点火プラグ」は?
おやおや!明らかに様子のおかしい「点火プラグ」様。
締め付け(ガスケットは潰れていない)不良で、プラグホールから排気漏れをしていたご様子です。
これは問題ありあり。
、、
作業を変えて、念のため「バルブクリアランス」を計測いたします。
こちらのシグナスX(SE44J)様には「O2センサー」様は付いておりませんが、マフラーには未燃焼ガスを還元する装置が付いているようです。
そのホースが邪魔をして、、
なんとか「ピストン上死点」を合わせましたら、「バルブクリアランス」の計測開始です。
「IN-吸気バルブ」「EX-排気バルブ」ともに、ほぼほぼ規定範囲後半の数値でした。調整したい気持ちも山々ではございますが、あれもこれもいじってしまうと原因が分からなくなるので、今回はあえて調整いたしません。こちらも「正常」。
お次は、
「エアクリーナー」様の点検です。
さてさて汚れ具合は如何ほどに?
「エアクリーナー」様、かなりお仕事をされていたご様子。
お疲れ様でございます。
下側にある(名称は存じませんが)こちらの「小さなクリーナー」も交換いたします。
ちっちゃい穴です。
意味がない穴?とも思えませんので、急遽「小さなクリーナー様」を自作いたします。
当店では「工作用紙」が大活躍でございます。
綺麗に清掃させて頂き。
サクッと仕込み完了でございます。
今回の不具合の原因は、
■激汚れに耐えて、お仕事を頑張られた「エアクリーナー」様と、
締め付け不良により、排気漏れをものともせず、吸気にも耐えた「点火プラグ」様により、
「絶妙な空燃比(空気と燃料の割合)」が作られ続けた事に起因するものといたします。
その結果、やっと「空燃比」のバランスが崩れ、交差点内でエンジン停止となったようでございます。走行中のエンジン停止で無かったことがせめてもの救いです。事故につながらなくてよかった、、。
■オートバイにおける燃料供給装置の黎明期?のこの車両が、従来の気化器「キャブレター(アナログ)」だったとしたら、もう少し早くその不具合に気が付くか、エンジン停止していた可能性があったと妄想いたします。
また、「ECU(デジタル)」で制御する燃料噴射装置「FI(デジタル)」のみの運用故の不具合だったようにも思いました。
■燃料供給装置が「FI(デジタル)」の車両おいて、酸素濃度を検知する「O2センサー(デジタル)」の重要性についても、改めて考えさせられ、とても勉強になりました。
2024年5月17日(金) 店主